いのち
小さなウサギが死んだ時涙が出たが
人の命は永遠と信じていた
お葬式があり近所のおじさんがいなくなり
人間も死ぬのだと知ったのは5歳のころかもしれない
それから死が恐怖に感じ始めた
父が母が死んでいった
その時
太陽でさえもいつかは消滅するのだからと諦めた
無限のものなど無い
その時
時間の感覚を失う事を覚えた
人の命に長短はない
死を迎えるのが1歳であろうと100歳であろうと
生まれたことに意味があると信じたい
1歳の死は100年分を短縮して生きたのだ
無限のものなどないのだから
そう
いつまで貧乏暮らしはないだろう
病気が治らないわけではないだろう
希望を持てば良い
有限の時間に生きるのだから価値がある
君の美しさ
君の柔肌
今と言う時間を過ぎれば
それが1年なのか10年なのか
昨日の君と今日の君は違うはずなのだ
君の知識や生き方さえも
昨日と今日では違っているはずなのだけれども
そんな短い時間で変わる訳はないと信じているから
カゲロウや蝉たちにすればそれは長い時間なのだけれど
沢山の希望や夢を抱いて
ふりかえった時
何にもしていない事に気が付く
それが年老いると言う事なのかもしれない
今日は何をしたのだろうか
自分なりに今日を生きたと言いたいけれど
食事の様に今日と言う時間を
良く噛んで食べたと言いたいのだけれども