男と女の浮気ファイル -元彼女ー
浮ついているわけではなく、うつ病のように覇気がない・・・
私はいつも通り朝食を手早く作り、主人を送り出した後、
日の当たるソファーに座り、ボーっとしながら考えていた。
最近の旦那といえば、学生時代のクラス会にいったぐらいで、
仕事もいつも通り、特に何もしていない・・・
「あなたどうしたの、なにかあった」と聞いても
「いや、別に何も・・・」と素っ気無く
その週末の午後、いつものようにワイドショーを見ていると
家に電話があった。
「S高校の河合ですが、旦那さんいらっしゃいますか?
この前のクラス会で時計を忘れていったので・・」
「じゃあ 送っていただければ・・」
「いや、高価なものなので、直接・・連絡先に教えますので
都合のいいときに、連絡くださるようお伝えください」
妻は思い出した・・河合・・それは旦那が学生時代、交際していた女だ。
よく考えてみると、時計なんて外すものだろうか?
最近の旦那の鬱もおそらくこの女が原因だ・・・
その日は何も言わず、同じベッドで眠りについた…
翌日、外に出てコンビニの前の公衆電話から電話をして、
「旦那は忙しいので私がとりに行きます・・」
といってみた
「そ・そうですか・・」
二人にあわよくばという感じだったのを旦那と
女の様子から私は感じたのだ・・・
結局、その元彼女とは駅前で待ち合わせをして、時計を返してもらい、
建前のお礼を言った…
仕事帰りの旦那に一部始終を伝えると、
少しびっくりしたような様子で
「どこで落としたかと思って・・・探していたんだよ」
二人に何があったかわからないが
その日以来、旦那の鬱は解けたようだ・・・
作品名:男と女の浮気ファイル -元彼女ー 作家名:私立探偵小説家