ミステリー短編集 百目鬼 学( どうめき がく )
1週間後、美猫の闇に興味を持ち、取材を重ねてきたメディアが報じた。
美術館深夜ツアー、昼間の混雑を避け、少人数で名画鑑賞を満喫できる。森姫美猫は美術館と警備会社を抱き込み、こんな裏企画(入館料5万円)でせこく稼いでいた。
もちろん違法。
そのため参加者のプライバシーを擁護するため、互いの面が割れないようマスクを着けさせていた。
その夜美猫は、きっと権力者がジョインしていたのだろう、自ら案内を買って出た。
されどもシシィの絵の前で刺殺された。参加者はやっかいな事件に巻き込まれたくないと、仮面を被ったまま蜘蛛の子を散らすよう美術館から消え去った。このため防犯カメラの映像からは個人の特定は困難。
さて美術館殺人事件、ドン・美猫はまさに金に執着する薄汚い雌狸だった。そして犯人の動機はその悪行に対しての正義感からなのか?
作品名:ミステリー短編集 百目鬼 学( どうめき がく ) 作家名:鮎風 遊