魂のダンス
寒いなぁ
と私はひとりつぶやいた
するとどこからともなく私の「心」が寄ってきて
「お、いいじゃん。寒い日にちゃんと寒いって受け止めて素直に言えるのは大切だよ」と偉そうにのたまわった。
それがなんだか癪にさわって
私は「寒い、寒い、寒い~」と大きな声で連発した
「えらい、えらい」
「寒い、寒い、寒い、・・・」がそのうちどういうわけか
「淋しい、淋しい・・」に変わっていた
「寒いの? 淋しいの? どっちだよ」
「寒くて淋しい、寒くて淋しいの~~!」と訳が分からなくなって大きな声で叫び始める
「ちょっと酔ってるな」
「ホットワインをちょっとね。 酔ってるかもね」
そういって私はうつむいて私の「心」にコツンとよりかかった
「心」は私をゆっくり抱きしめた 今日はこうして眠ろうか