アナザーワールドへようこそっ! 第一章 【020】
(いいからっ! とにかくハヤトはわたしの言う通りに『神通具現化(ディバイン・フォース)』を発動するんだ。後は、わたしのほうで何とかするから……では、お前に『神通具現化(ディバイン・フォース)』させるイメージについてだが……)
と、言うことでシーナから俺は『具現化するイメージ』を聞いた。そして……、
(そ、そんなことできるのか?!)
(できるっ! ハヤトなら多分、大丈夫だ。迷うなっ!)
(わ、わかった……)
シーナからいろいろとアドバイスをもらった俺は『魔法力測定器』の前に立ち、
「お願いします」
とカルロスへ一言。
「うむ。では、早速、測定のほう始めさせていただく。ハヤト様……この機械の真ん中のほうに『的』のようなものがあるのがわかりますか?」
「は、はい」
「その『的』に手を当てて、魔法力を解放してください。そうすれば機械が魔法力を測定してくれますので……」
「わ、わかった」
この『魔法力測定器』……見た目は、地球で言うところのゲームセンターなどに置いてある『パンチングマシーン』と非常に似ている。ただ、この『魔法力測定器』は『的』を叩くのではなく、『的』に手を当てて、自分の中に潜在している魔法力を高めていき、それを測る機械らしい。
「では、お願いします」
俺はその『的』に手を当てて、魔法力(魔法力らしきもの)を高めていく。
しかし……機械は……『魔法力測定器』はウンともスンとも言わない。
「あのう……何も反応していないみたい、なんですけど……」
と、俺はカルロスに尋ねた。
すると、カルロスは驚いた様子で、
「そ、そんな……初めてみた…………」
「……えっ?」
何? 何?
「魔法力が……ゼロ……まったく無い人間なんて………………信じられないっ!」
そう言って、カルロスが『マジビビリ』をしていた。
しかし…………カルロスの『マジビビリ』はこれで終わりではなく、まだ『序章』に過ぎない。
本番は、これからだ。
作品名:アナザーワールドへようこそっ! 第一章 【020】 作家名:mitsuzo