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激ニブ星の恋人?

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第十四話 過去回想 この世の終わり(※シリアス)



嘘みたいな青空。

その下には、地獄。

戦に負けた。
大負けした。
山中に逃げこんで、駆けて、駆けて、ふと立ち止まり、ふり返ってみたら、だれもいなかった。
仲間はだれひとりついてきていなかった。
桂の脳裏に、さっきまでいた戦場がよみがえった。
あの地獄。
あそこに、皆を置いてきてしまったのか。
違う方向に逃げたのかもしれないとも、思う、願う、けれど、本当にそうなのか、わからない。
寒気がした。
足が動かなくなった。
まえへと進まなくなった。
崩れ落ちる。
立っていられなくなって、座りこんだ。
もう一歩も進めない。
もう駄目だ、自分は。
そう思った。
地面が見える。
うつむいている。
もう顔をあげることすらできない。
「……オイ、なにやってんだ」
声が、聞こえた。
「立てよ」
銀時の声だ。
うしろにはだれもいない。
だが、横には銀時がいたのだ。
それでも。
「俺はもう駄目だ」
うつむいたまま告げる。
「銀時、おまえひとりで逃げろ」
立ちあがる気力がどうしても湧いてこない。
ただ、銀時には逃げてほしいと、それだけは切に願う。
「バカなこと言ってんじゃねーや」
低い声が聞こえてきた。
次の瞬間。
身体を強い力でつかまれ、無理矢理に立ちあがらされる。
思わず、銀時のほうを見た。
眼が合った。
「なんて顔してんだ」
銀時が軽い口調で言う。
「この世が終わったわけじゃねェだろ」
そして、笑った。
だが、その口の端がわずかに震えている。
無理に笑っているのだ。
俺のために。
それが、わかった。
だから。
「……そうだな」
自分の中の絶望を打ち消して、同意する。
「じゃあ、行くか」
「ああ」
まえへ、一歩、踏み出した。










作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio