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激ニブ星の恋人?

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第七話 かぶき町最強伝説



桜の花も咲き終わり、気温があがってきた春の午後。
銀時は万事屋の応接間兼居間のソファにだらしなく寝そべっていた。
そのテーブルをはさんで向かいにあるソファには、新八が腰かけている。
「仕事がぜんぜん来ませんね」
そう言った新八の眼はどんよりと曇っていて暗い。
「まァ、楽でいーだろー」
「良くないです。今、冷蔵庫の中が空っぽに近いじゃないですか」
仕事がないから稼げなくて、お金がないから食べ物も買えない。
現在、そんな状況である。
「ただいま帰ってきたアルー!」
玄関のほうから神楽の声が聞こえてきた。
定春の散歩に行っていたのが、帰ってきたのだ。
しばらくして。
「銀ちゃん、新八、いいもの見つけたアル!」
神楽が顔を輝かせて応接間兼居間に駆けこんできた。
「あ〜、なんだ、金のなる木でも見つけたのか」
そう言いながら、銀時はソファから身体を起こす。
「木じゃないアル、紙アル」
「紙ィ?」
ボリボリと首筋をかく銀時の顔のまえに、神楽は紙をつきだした。
「これに優勝したら、大金がもらえるアル」
その紙には、かぶき町最強バトル大会開催、と書かれていた。

かぶき町最強バトル大会の当日。
空はよく晴れていて、温かい。
しかし、銀時はやる気のない表情で会場を歩いていた。
めんどくせェから出たくねェと主張したのだが、万事屋の危機的な経済状態を理由に新八と神楽から出場に追いこまれてしまった。
「銀ちゃん、しっかり稼いでくるアル」
「つーか、宇宙最強のテメーが出ればいいだろーが」
「参加資格があるのは十八歳以上のかぶき町の住人なので、神楽ちゃんと僕も出場できないんですよ」
「歳なんざ、ごまかしちまえばいーんだよ」
「他の参加者も同じかぶき町に住んでるんですから、すぐにバレます」
そんなわけで、しかたない。
「めんどくせー」
ハァ〜と銀時はため息をつく。
それでも、足は参加申し込みの受付のほうに向かっていた。
「……ん?」
その受付の近くに見覚えのある顔を見つけた。
「ヅラぁ!」
隣で神楽も気づいたらしく、タタタッと駆けていく。
桂がこちらを向いた。
「ヅラも参加するアルか?」
「ああ」
いつもの生真面目な表情で桂はうなずく。
そのあいだに、銀時も新八も桂の近くまで行き、足を止めた。
「ヅラ、テメーなァ、変装もせずに目立つところに出ていいのかよ」
指名手配犯のくせに。
そう銀時から指摘されても、桂は平然としている。
「別にテレビ中継されるわけではないし、真選組の奴らも来てないようだからいいんだ。だれかからなにか言われたら、他人のそら似だと言えばいい」
「イヤ、他人のそら似レベルじゃねーだろ。そのまんまだろ。なにしろ本人なんだからな」
「大丈夫だ。そのあたりのことはちゃんと考慮して、申込書に名前を書いた」
「ああ、偽名を使ったのか」
銀時は桂が差しだした申込書の氏名欄に視線を落とす。
そこには。
桂小太郎(仮名)
そう記載されていた。
「なんだこりゃァァァ!!!??」
思わず、銀時は声をあげた。
だが、桂の表情は崩れない。
「(仮名)と書いてある以上、そのまえに書いてある名前は本名ではないということになる」
「なに胸はってんだよ、なに得意げに言ってんだよ」
「良い策だと思わないか」
「ぜんぜん思わねーよ!」
「銀時、おまえは案外、頭が硬いな」
「いやいやいや、そーゆー問題じゃねェだろ」
「どうやらおまえにはこの策の良さが理解できんようだ。これ以上、話してもしかたない。俺はもう行く」
そう言うと、桂は歩きだし、さっさと受付のほうに向かった。
銀時はそのうしろ姿をぼうぜんと見送る。
「……大丈夫なんでしょうか、あれで」
「かぶき町はこーゆー町だから、きっと大丈夫アル」
「まあ、目立つようなことしなければ、ね」
隣で新八と神楽が口々に言った。
それを聞いて、銀時はげんなりとした表情になる。
「ムリだろ」
桂が目立たないわけがない。

作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio