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モンスターファクトリー
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雲職人 イオン

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ある暑い夏の日、雲の上では雲を作る仕事をしている、雲職人「いおん」が一生懸命、雲を作っていました。その日は特別暑かったので、いおんは人間たちに少しでも涼しくなってもらおうと太陽を時々隠す雲を作っていました。
たくさん作ったところで、いおんは休憩をすることにした。
 雲から下を覗くと人間がいる。道を歩いていたり、歩くのよりも早い四角いものが走っている。あの中には人間が乗っている。四角いものに人が出たり入ったりしているのを見たことがある。そんな中、お母さんと手を繋いだ小さな人間が丸いふわふわした赤いものを持っているのを見つけた。なんだろう。いおんははじめてそんなものを見たので驚いた。
なんだか変な動きをしている。
 その時、その丸いものが人間の手から離れてしまった。その子は手を空に向かって激しく振っているようだった。いおんは思った。このままここまで飛んでくるのかな。見てみたい。どんなものなんだろう。いおんは丸いものがあがってくるのを待ちました。
時々丸いものは風で横へ横へと流されてしまい、いおんも横へ横へと雲を作って追いかけました。そして数日後、いおんのところにやってきたのです。
 いおんは丸いものの名前は知りませんがそれは風船。少ししぼんでしまったけれど初めて見たつるんと丸い形、不思議な手触り、わくわくする弾力、雲にはない心地よさです。
いおんは風船に夢中になり、雲をつくらず風船で遊んでいました。雲の中に包んでみたり、雲でおひげを作ったり。しかし風船はだんだん小さくなっていったのです。
いおんは空気がすっかりなくなり、ぺしゃんこになった風船を見て楽しかったことを思い出しました。そして、これをくれた人間の子にお礼を言いたくなったのです。
でも、いおんは下に降りることはできません。しかし素敵なプレゼントをありがとうと伝えずにはいられない。どうしたらいいのだろう。
そして気づくのです。僕には雲しかないのだと。
 いおんはたくさんの雲を丸く、丸く、丸く、たくさん、たくさん、たくさん作っていきました。青い空が丸いものでいっぱいになるように。どこまでもどこまでも僕が作る風船があのこに届きますように。
どれだけ作ったか、空は大きい小さい丸い雲でいっぱいになりました。
下の世界ではみんなが不思議がっていたけれど、たくさんの人がいおんの風船を見上げたのです。あのこには、丸いものをくれたあの子には、僕の気持ちが伝わったかな。