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銀魂 −アインクラッド篇−

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第一訓「何が起きても臨機応変に行動しましょう





大江戸、時は深夜。
---郊外にある港で不穏な動きが一つ。

小さな古ぼけた船から商人らしき人物らが周りを警戒し、せっせと汗をかきながらとあるものを運んでいた。

-おい急げ!役人に見つかったら俺らぁ切腹もんだぞ!-
-わぁってるわ!これが違法取引だってことはぁ十分承知だ!!-
-幕府の犬どももここら辺をうろついてらぁ。さっさと終わらせるぞ!!-

船からは様々な大きさの木箱がすぐ近くの倉庫へと運ばれていく。その中に、プチプチの袋で何重にも重ねられた…ヘルメットのような物が一人の商人へと受け渡された。



---え、プチプチって?
ほら、あれだよ。
よく精密機械とか買った時に商品に巻かれているあれだよ。一度は皆体験してるよね?意味もなく何十分も真剣に一つずつ潰したりするよね。
おっと…おほん。
これは失礼、…とりあえず、運ばれましたんだとさ!
(ふぅ〜…今回の作品じゃ俺はナレーター役だからなぁ…読者には長谷川泰三ってことは黙っておかないと)

-おい、こりゃぁ一体何だ?とんでもねぇ代物じゃねぇか-
-こういう積荷のなかには宇宙空間やら次元空間やらで彷徨ってきた珍しいもんを転売屋が手に入れて高額で売りさばくんだとさ-
-確かにこいつぁ見たことねぇ代物だ。見た感じバイクのヘルメットに見えるが…。というかこんな変哲な物誰が取引したんだ?おっと、ここに取引先が…ん?『宇宙キャプテン・カツー…』-
-おい!いくら違法取引だって言ってもこいつぁ商売だ!!勝手に取引先探るんじゃねぇ!!-
-あっ!すいやせん!!-

男は名残惜しく船から運ばれてきた偉く高級そうなヘルメットのような物を3つ、倉庫の中へと運んでいく・・・。



―――それから更に時は経つ。

商人が手にとったあのヘルメットのような物はその後、色々な闇ルートへと流されていく。

-おい、注文した数は1つの筈だぞ!-
-ちッ…騙された-
-こんなもん、持っててもしょうがねぇ!別のルートで売りさばいちまえ!-

人から人へ…最初は3つあったヘルメットのような物はいつしか1つになっていた。
そしてようやく、これから始まるこの壮大な物語の主人公の手へと受け渡されることとなり、ヘルメットの長い長い旅は終わろうとしていた---。


・大江戸 ターミナルからちょっと外れた場所にある路地裏の闇市場・

-いらっしゃい兄ちゃん!へへッ今日は珍しい品物が揃ってるよ-

闇市場、一般人はまず入らないこの路地裏は人で溢れていた。この市場にある品物は大体が違法取引で手に入れたもの、または窃盗したものが高額で売りさばかれている。大抵こういう場にいる人達は物珍しいもの欲しさに飢えたマニアだ。
そんな人ごみの中、一人だけ明らかに浮いた男が歩いていた。
大江戸では珍しい銀髪、そして天然パーマのもじゃもじゃの男。
一人の店員がその男を呼び止めた。

-ちょいと兄さん!そう!そこの天パの兄ちゃん!ちょっと寄って見てくれないかい?-

「…あぁ?」

薄暗い闇市場で顔付きの悪い店員に呼び止められ、歩みを止めた。
男は気だるそうに返事をし、頭をポリポリとかいて特徴的な銀髪のふわふわな天然パーマを風邪になびかせて振り向いた。

「何?悪いが俺ァ今急いでんだよ」
-急いでるって、そんな気だるそうな状態で言われてもねぇ。説得力が全くねぇよ-

商人は一気に肩の力が抜けた。
商人の目に映った男の第一印象は最悪だった。
死んだ魚のような目つき、生が込もっていない口調、この廃刀令の御時世に腰に『木刀』…そして何より、全くやる気を感じられないこの態度。
捕まえる相手を間違えたと非常に後悔した。

「まぁなんだ。依頼が思った以上に早く片付いて暇だし、ちょっと見ていくか」
-あれ兄さん、今急いでいるって言ったよね?さっきと言っていること違うんだけど-
「何だこりゃ?あ〜これ見たことある。よく○○男優が使用するあれじゃん。ほら、なんつったかな…このキノコの形をした先端が振動する機械-からくり-…えっと…」
-兄さんもうそれ知ってるよね?なんであえて口に出したのかな?というかあんまりそういう表現するのおじさん駄目だと思うな-
「お、これなんてレアもんじゃん。ほら、よく女監督○○○の○○ナンパで使用する両方が○○○の形をしたあの…ほらっ…なんだっけ。…ディ」
-兄さん完璧に知ってるよね!!?なんで曖昧な感じで知っているみたいなこと言っているのかな!!?完全にそれ熟知しているよね!!?というかおじさん、よくわからないけどこれ以上危ないネタだしたら本当にヤバイ気がするな!!-
「チっ…うるせぇなぁ。どうせこんな作品、18歳以下のガキなんて見てねぇよ」
-ん?兄さん何言っているのかな?おじさんは兄さんが言っている意味がよくわからないな!-
「それよりなんか掘り出しもん…お」

男はR18規制でこれが映像化されたら間違い無くモザイク処理される品物の中に優一、モザイク処理されない機械?からくり?を見つけ手にとった。

「なぁおじさん、これモザイク処理されてねぇんだけど一体何?」
-あぁそれかい?えっとねぇ…実はおじさんもよくわからないんだよ-
「あぁ?わからないだぁ?」
-そいつぁ色々な商人の手に渡ってようやくここへと辿り着いた代物だ。一つの噂によりぁ結構お高いもんだぜ?まぁとりあえず使い方なんだが前の商人がこの説明書に全部書いていったから一様大丈夫だ。信頼性は無いがな-
「見た感じヘルメット…か?それにしちゃ随分高級そうだな。で、結局これは一体何なんだ?」
-説明書には…あぁ、兄さんにはもってこいの代物だ!!そいつぁ『全自動ストレートパーマ機』だとさ!-
「マジでか!?おじさんこいつぁ一体いくらだ!!」
-まぁ売れ残りだしちょっとサービスするか!とりあえず、この市場じゃ売買契約の時に売り先の証明として名前の記入が必要なんだ。兄さん、お名前は?-

「あ、俺か?俺ァ…」


・・・
・・



---男はステップをしながら売店を去っていく。その右手には男が手にしたヘルメットを入れたダンボール箱。

-変わった兄さんだな。まぁうちの厄介な商品はようやく売れたし、また新しい代物でも仕入れるか-

商人の目の先には先程の男との売買契約書があった。
その名前の欄には汚い字で男の名前が書かれていた。

-「坂田 銀時」-