Ramaneyya Vagga
恋
恋は、獅子のように心を急襲する。次には、子羊のように心を憩わせる。
かくて恋は、思惟方法を一変させてしまう。
軽々しく愛を語ることのない人ほど、いよいよ深い恋に落ちたなら、秘めていた燃え盛る情熱を果敢に誇示して、恋人をとろかすものだ。
誰に対しても誠実な人は、恋人に対しても誠実だ。しかし自分と同じくらい誠実な人と恋仲になれる人は少ない。そこで誠実な人ほどつらい別離を経験する。
恋に落ちるに男は稲妻のように早急だが、女は花のつぼみのように慎重だ。男は失うものがないが、女は恋に生のほとんどすべてがかかっているからだ。
稀に疾風のような女がいるが、彼女は男のように生きているに相違ない。つまり自分が子供を産むとは考えていない。
互いにこの人と必ずや添い遂げたいと願っているなら、その願いは叶うだろう。片方だけがそのような確信によって願っていても、片方の心があやふやなら、ふたりはおっつけ別離するだろう。しかし心があやふやな者とは、すなわち自分の心を観察して自分を知ることのない者であるから、結局両者ともこの結果に帰結することが事前にはわからない。
作品名:Ramaneyya Vagga 作家名:RamaneyyaAsu