水溜まりの中の女の子
パパもママもわかってない。
わたしはパパやママがおもっているよりももっとずっとすごいんだ。
わたしが言葉を紡げば大地はざわめき、雲はうねり、冬眠中のカエルだって歌い出す。
いまはまだもうすこし練習が必要だけれど、本気を出せば明日くらいには世界中の人がアッ、と驚くような詩を書いてみせる。
水溜まりにわたしの不機嫌そうな顔が映っている。
わたしは小さな女の子。服の袖でなみだを拭うと、水溜まりに向かっておもいっきり背伸びをした。顔はもちろん、お澄ましさん。
なんだかお姉さんになったようでちょっぴりごきげん。
水溜まりの中の自分を見つめる。
「何を泣いているの?お姉さんに相談してごらん」
作品名:水溜まりの中の女の子 作家名:スピルカ