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春本 美穂
春本 美穂
novelistID. 49342
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ミーシャの冒険 11

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ミーシャの冒険 11

「なにやってるんだろう、私」
がらんとした部屋の中でフィオナが呟いた。

フィオナはミーシャの幼なじみで鍛冶屋の娘
ミーシャが使う農機具も鍋もフィオナが届けたものだ。
ミーシャの両親がはやり病で亡くなってから時々家へ呼んで夕食を一緒にしている。
鍛冶屋の親方はミーシャが川で集めて持ってくる鉄砂の質がいいといつも褒めている。
だからギブ・アンド・テイク

今日もミーシャを夕食に誘うつもりだった。
さすがに教会の中では他の人の目もあるし、
いい食材も手に入るか自信なかったから
女の子を2人連れていたのはちょっと気にはなったけど
帰ったばかりですぐにどこか行くなんて考えられなかったし
まずは仲良しの漁師にとびきりの夜光貝とオマール海老を頼んで
ミーシャの好きなナツメヤシの実を袋買いして
小麦はまだあったから、野菜もたくさん買って
両手一杯に荷物を持って帰って
テーブルをきれいに拭いて
水差しにはきれいな水を満たして
平ったいパンを多めに焼いて
それで呼びに来たんだけど・・・

寝ているのかと思って入り込んだミーシャの部屋は
ベッドには座ったり荷物を置いたような形跡すらなく
ただ、花の香りが残り香としてあるだけ
「ミーシャって、香水つけてたんだ」
今更ながら、そんなことにも気が付かなかった自分に驚く
「もう、行っちゃったんだね・・・」
行き先は知っている
何をしに行ったのかも
でも、一言くらい
言ってくれたっていいんじゃないかなぁ・・・