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G Generation Guardian

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三話・「運命の戦乙女」




重力の呪縛から解き放たれた宇宙。

そしてここは、隕石群が周囲に散らばる「アステロイドベルト」である。

航行には不向きの宙域であり、艦艇もこのコースは外して運用される。無論、周囲には建造物も存在しない。強いて言うならば、誰が棄てたのか見当もつかぬジャンクが少々漂っている位だ。何時もならば何も無い静寂に包まれている筈のこの宙域は、今日は様子が違っていた。

一隻のみ、青い戦艦がこの宙域に侵入し停止している。装備を見ればそれは軍属の物というのが分かる。特徴的な形をしたその艦は「ナスカ級高速戦闘艦」と呼ばれる、C.E.世界の「Z.A.F.T.軍」勢力の主力艦である。既に数機のMSが発艦しており、周囲に敵勢力がいないかを確認していた。

そしてその艦内では、パイロットスーツを着用した兵が一人、展望スペースで佇んでいた。出で立ちは10代後半であろうか。他の兵とは違う、「赤」のパイロットスーツを身に纏う兵は通称「赤服」と呼ばれるエリート・パイロットである。赤服とは士官学校で上位10位に入った人間に贈られる特別な軍服である。当然他の人間よりは優秀な人材であり、戦場でも即戦力が期待されている。

しかしその兵の表情は、その名誉である筈の軍服も疎ましく感じているように見えた。いや、それ以前にもっと根本的な何かに憂い、疑問に思っているような表情だ。彼の眼差しは遠く、小さな地球を捉えている。デブリや隕石に邪魔をされ、直ぐに地球は隠されてしまう。兵には自分と地球を隔てる隕石が、宇宙と地球の間にそびえ立つ壁の様に思えて仕方が無かった。

「あ、ハヤト!そろそろ出撃だぜ。隊長にどやされる前に行かねえと。」


ようやく見つけたと言わんばかりに、同年代位の兵が「ハヤト」を呼びに来た。ハヤトは彼の声で我に帰り時計を確認する。
ブリーフィングで提示された出撃時刻が近い。ハヤトは時間管理を怠っていたことに自らを戒めた。

「ゴメン、ミック。手間取らせた。」

「よせよ、今に始まったことじゃないだろ?でも未来のエース様なんだからもっとしっかりしないとな!」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん