大罪を犯す
ずっと怠惰に生きてきた。愚か者には怒りを抱く。強欲だと知りつつもこの世の全ての知識を求める。人間が生物として存在し子孫を残すことが生物が生物たる使命だというのなら色欲すら感じられぬ人間は生物ですらないのではないだろうか。嫉妬など負け犬の持つ感情だ。知恵のある者となるためなら楽園にあるという禁断の果実すら喰いつくそう。傲慢だというだろうか。いいや違う。傲慢などではなくこれは事実。賢く優れた価値ある者。それが私。だから―――になりたいと願っても、いやそうなれなければおかしいのだ。私を笑う者は全て裁こう。逆らう者は全て殺そう。この世の全てを我が前に跪かせよう。この世でもっとも優れた唯一にして至高の存在を崇めない者に生きている価値などない。もしそれを理解しない愚か者がいたならば死よりも恐ろしい罰を与えてやろう。
――そして神は大罪を犯す