ぼくらのほーていしき
すきになっちゃだめだ
思ったときにはもう遅くて、
すでに水をほしがるさかなのようだ
「やす、かえろ」
いつもあたりまえ、がびみょーにさみしいような、うれしいような
(きっと、後者がダントツ)
おーくらは、笑わない。あんまり。
仕事とか、メンバーでいるときはちがうけど。
言っちゃうと、ぼくの前だけで。
でもこうやって一緒にいるのが、ふしぎで(でもうれしくて)
こうやってついていく、ぼくだってどんな顔をしてるのか、
「ねえ、やす」
「ん?」
「もしおれがここで好きって言ったら、どうする?」
「へ?」
(どうするって)
「なーんて、言わへんけどな」
(そんなのもう、)
「んー、こうゆう冗談もたまには、」
(めちゃくちゃ、)
「うれしい」
「は?」
「だから、」
(うれしいじゃないか)
おーくらがそんなふうに冗談をいう人じゃないってことも、そんな冗談にうまく乗り切れないぼくがいることも、
お互い、知っていて、
(こう、なんてゆーか、胸をつかまれたというか)
「うれしくてたまらないって言うと、思うで」
魚は水をほしがり、
僕は小さな恋を見つける
ちいさなちいさなソレを決して離すことはない
スイっと、泳いだ魚を見た
けなげで、はかなくて、立派だ
この恋を愛にする術をぼくは知らないから
探しに行こう。君のもとへ
きっと、きみも探しているんだろう?
足して2で割りゃ、サイコー以外のなんでもない。さ!
ぼくらのほうてーしき
作品名:ぼくらのほーていしき 作家名:airi