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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|29ページ/104ページ|

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 ネオの言葉に実緒は静かに頷き、苦しそうな表情でドアノブを握る。
「来てくれて、ありがとう……」
「うん……」
「ごめん、ね……」
 実緒は暗い家の中へと戻っていった。ドアが、光と闇の境界線を引いているみたいだった。
「実緒、みお……」
 ……。
 ――結局、何もできなかった。
 小学生の頃にあったことが再び、ドラマのハイライトみたいにパッ、パッ、とシーンが切り替わりながら、頭の中で再現され、。
 あの頃と変わらない。友達の力にもなっていない。
 その事実だけが、ネオの胸に刻まれる。無力な自分に、失望感でたまらなくなる。
 脱力してしまい、両膝が自然と冷たいコンクリートの上につく。
 扉の奥で、実緒は何を思っているのだろう。泣いているのだろうか。恐怖と絶望に、深い闇の中心で押しつぶされているに違いない。
 この両手は、一体に何のためにあるのよ……。