大人の言葉遊び(53)
詮なきことと
散る花の
風に任せる
その潔さ
去りし人
追わぬと決めた
潔さ
その決断に
悔いるときあり
追わぬ人
去りしを悔いて
振り返り
戻るを待つと
信じて止まる
君の心は
まだ僕に
止まることを
願いつつ
文字を電送
繰り返し
何度も続け
文字を打つ
指も覚えた
逢えぬ君の名
離れても
目が 指が 唇が
覚えてる
静脈のなか
常に流れる
野分去り
秋の気配の
空がある
恋風は 今
どこを吹き行く
繋ぐ手も
ないままこの夏
過ぎ去りて
寒さの前にと
想いを込める
風の音
秋の気配に
耳澄まし
虫の音響く
恋の歌詠み
心には
空白のみの
日記あり
綴れば夢が
醒める気がして
作品名:大人の言葉遊び(53) 作家名:智樹