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鳴く蝉の　
声も限りと
知ればこそ
残酷な秋　
高すぎる空


秋を待つ　
愛しき人の
メールにて
ときめく予定の　
カレンダー見る


薄曇り　
野分の予報　
耳にして
まずは貴女の　
住む街思う


恋なんて　
行方不明の　
迷い道
地図もなければ　
道標もなし


街の灯を
見下ろし輝く月の夜
遍く幸いありますようにと
世界を照らして
静かに微笑み


雷雲の　
後ろに在りし　
寝待月
光なくとも　
待つ人もあり


待つことが
習いになりつつある日々に
不安と淋しさの雲かかる
温もりを知れば
なお辛いとき


雲ならば　
寝待の月に　
寄り添いて
君の心に　
忍び込みたい


夢うつつ　
かすかな雨音　
その中に
君の吐息が
よみがえる朝


切なさに　
忘れようと決め　
消す履歴
液晶画面の　
深海哀し