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株 奮闘記

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(1) 潮目は変わった

 時は2013年。
 2012年の参院選で、自民党が民主党から政権を奪還した。
 安倍首相は日本のデフレスパイラルから抜けだし、とにかく経済復興。そのためには行き過ぎた円高を円安に。そして2%のインフレにすると言う。

 これに市場は反応した。
 9000円にも届かない日経平均が、2013年2月時点で11,000円に。

【強気相場は悲観の中で生まれ、  懐疑の中で育ち、  楽観と共に成熟し、  幸福のうちに消えて行く】

 やっと長い悲観の中から強き相場の兆しが見えてきた。喜ばしい限りだ。

 しかし、それに水を差す輩が多い。特にTV出演のコメンテーター。
 やれハイパーインフレになるとか、円安になると大騒ぎしている。
 いやむしろ、デフレではデフレは悪と騒ぎ、円安インフレはダメだとまた騒ぐ。
 とにかく『マッチポンプ』の挙動。
 つまり自分で火をつけて、自分で消しに行くという、出演回数を増やすための小人的思考と行動。

 それにしても、90円そこそこがなぜ円安なのかがわからない。
 こういう輩には、まずコメントを発する前に明らかにしてもらいたいものだ。
 妥当な円/ドルはいくらかと。

 円/ドルは長い時間の中で80円から150円の範囲内で振れてきた。米国で生活してみて、円の実力は110円前後が妥当かと思う。
 多分、ここへ向けて為替は動いて行くだろう。

 そして株価はドルベースでは変わらないが、円安換算で15,000円を超えるかも。
 とにかくダウが高値を更新しているから。

 10年ほど前に読んだことがある。
 日本は団塊ジュニアが40歳代になる頃にミニバブルがあるだろうと。
 要は、その年代は人口が多く、もっともお金を使わなければならない時代が2010年代だと。

 こんな予測に感銘を受けたわけだが、果たして現在の株高はその入口にあるのか、これからどうなるかよく見てみたい。

 さてさて、潮目はどうも変わったようだ。
 ここまでは優待や配当を第一優先にしてきたが、値動き中心の売買に変えた方が良いのかも知れない。
 そんなことを思う今日この頃だ。
作品名:株 奮闘記 作家名:鮎風 遊