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動物園.com

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「上野動物園で130週年記念をするんですって。聞いてますか園長?」
「聞いてるよ、しかも入園料無料なんだとよ」
ある動物園の事務所内で園長と飼育係が新聞の記事について話していた。
「いいなぁー、大きな動物園は経済的に余裕があって」
「うちだって余裕があるぞ!今期だって黒字だったし…」
「それは飼育係が私しかいないからでしょう!そうじゃなくてお客さんが少ないんですよ」
「確かに、うちは地域限定的な部分はあるけど!一応土休日はそれなりに入るし…」
「子供連れだけじゃないですか。もっとメイン的なものがいればいいんですよ!パンダとかどうです?」
「パンダはレンタルするにもお金がかかるんだよな…レッサーパンダじゃ駄目か?」
「…風太君を越えるとなると、逆立ちする位じゃないと話題にならないでしょうね」
「普通のレッサーパンダは立ち上がりもしないのに無茶言うな」
「だったらうちも入場料無料にしましょう!話題にはなると思いますよ」
「そんなこと言われてもなー、動物達が自分達で餌代を稼がない限りそんなことは無理…ん、待てよ!」

次の月からその動物園の入場料が無料になるというニュースが流れた。
一番人気の象の前で家族連れが話している。

「ママー、あの象さんアマゾンから来たのー?」
「え?説明文にはアフリカ象って書いてあるけど」
「でもほらー、体に大きくAMAZON.comって書いてあるよー」

園長はなんと動物自体を広告塔にし、スポンサーの広告を動物達にプリントしたのだった。
色々物議をかもしたのだが、結果的に話題になり動物園にお客さんが押し寄せることになった。
作品名:動物園.com 作家名:葱奴