徒然な日常
なかなか梅雨が明けないある日。
富士山の雲隠れを見ながらなっちゃんはおねいちゃんに質問しました。
「おねいちゃん、質問があります!」
「なんでしょう」
「あたし、もしかして知らん間に留守番してる?」
「うーん、判ったか。外せない用事が東北であるみたいよ。今月中は頑張りなさい」
「……用事ってナニ? てか出掛けるなら声を掛けろって言ったのにスルー?」
「まぁま。サクちゃんの出張がナニかはあたしも知らないの。大人しくお留守番しようね。とりあえず一回帰ってくるし。ね?」
ヨシヨシと頭なでて貰ってもなっちゃん怒り収まらず。
曰わく、出掛けるなら出掛けるでちゃんと「いついつ出かけるよ、帰りはいつになるよ」くらい言え、と。
数日後一時帰宅したサクヤさんに怒ってみたところ『ちゃんと帰ってきたじゃないの』とケロッと言われ、火に油を注がれたなっちゃん。
サクヤさんとなっちゃんは属性的には違うのですが似たもの同士。
なっちゃん、自分を棚に上げてキレました。
「……次出かけるときナニも言わなかったらアンタの家に居座るわよ。いいわね?」
どんな脅しだ、とおねいちゃんに呆れられましたがサクヤさん、とりあえず次のお出掛けの際には声を掛けていきましたとさ。