徒然な日常
五月晴れさわやかな風の吹く午後、サクヤさんが唐突に言いました。
『アタシしばらくお風呂入りに行ってないのよねぇ』
「……入れば?」
『あらそ? じゃあ後宜しくね』
「…………もしかして10月のコト言ってる?」
『うふ』
「あんた幽体、アタシ生身! 三日で帰ってきてよね!」
こんなやり取りの後、おねいちゃんと会ったなっちゃん。
「……てな訳デスヨ」
「やー、まー、頑張って☆」
「ナニあの人神無月動けなかったの?」
「まぁイロイロあるみたいね」
「ふーん」
基本、面倒がり屋なおねいちゃんはしつこく聞かないと詳細は教えてくれません。
それを知ってるなっちゃんも決まる前ならまだしも「お留守番」が決定したので訊きません。
神様の居ないはずの神無月にお仕事をしていたサクヤさん、どれくらい振りかやっとこ出雲のお湯屋に行けるようです。