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おもかぴえろ
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novelistID. 46843
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徒然な日常

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 近頃「眼」の強化を図ってる祐ちゃん。
 視えないよりは視えた方が何かと都合が良いのだそうな。
 本人は視る=見るの感覚で四苦八苦中なのですが……。
 そんな彼を肴に年長組はなっちゃん宅で家飲み。

「祐ちゃんの成長には目を見張るものがあるわ」
 感心しきりのなっちゃん。
「そうね。元々持つ才能なんでしょうけどね」
 普通に修行してる人のン十年単位が数ヶ月だもの、あぁ本当に修行寺にブチ込みたい…。
 遠い目をしておねいちゃん。
 祐ちゃん、実はブツを触る手が確実に眼の代わりを果たしています。
「なんで眼に拘るのかしらね? あの触覚だって視えてる事の内なのに」
 何度言っても聞きやしない。
「知ってた? 白黒や単色じゃなくてフルカラーでリアルで視たいんだってよー?」
「はぁ? そんなもん厄介なだけじゃないの。わからない子ねえ」
「あたしが視えにくいからじゃない? なんかひとつ勝ちたいんじゃないの~」
 ケラケラ笑いながらなっちゃん。
「視ることに関してはあたしよりよっぽど上手くなってきたねー」
「それ教えておあげよ、なっちゃん」
「ヤダ。だって図に乗るもん」
 『だって出来ちゃうんだもん』なんてとぼけてないで、ひとつぐらい苦労してみればいいのよ。
 しらーっとぐびっと一口。
「スパルタねぇ」
「あら、そんな酷い。ちゃんと答えは教えてあるのに」
 解を与えて定理を求めろと言うなっちゃん。
 これがスパルタでなくてなんだと言うのか。
 まぁ、面倒臭がりな上にへそ曲がりだから仕方ないわよね。
 あたしも人のこと言えないけど、と苦笑いのおねいちゃんでした。

作品名:徒然な日常 作家名:おもかぴえろ