徒然な日常
なっちゃんの相方あーちゃんは御先祖様や御神仏の御加護で……まぁ要は守りが固い上に本人も弾くタイプなので憑かれにくいのです。
そんなあーちゃんの不思議なお話。
「この間、面白いことあったんだわ。てか、憑かれると顔変わるなぁ」
しみじみ言うなっちゃんにおねいちゃんはキョトンと返しました。
「んー? 変わるよぉ。どした?」
「あーちゃん、体ダレかに貸してた」
あはは、と笑うなっちゃん。
「え!? あーちゃんが?」
さっと顔色の変わるおねいちゃん。
あーちゃんが憑かれたとなるとかなり厄介です。
警戒するおねいちゃんに抜けたから大丈夫、大したことない、と手をヒラヒラ。
「酒入ってソノ気になってさぁ。上になったらヘンなコト言うのさ」
「ふーん?」
「よっぱだったからよく覚えてないんだけどさ、『すごくすごく気になる人間が居たとして、頑張って仲良くなったとするでしょ。で、その人間と仲イイ人間に化けても、ナツは話し掛けられる?』って言うのさ」
「化けるの? へぇ?」
クスクス笑うおねいちゃん。
「話掛けるわ、普通に。てか化ける意味がわからんって言ったらショボーンとどっか行ったわ」
「うん、ナツはするね。ダレなの、それ?」
さぁ? ダレだろね? 興味なさげななっちゃん。
「聞く相手を間違えてるし、あーちゃんの体に入り込めるだけ大したもんよ。自信持てばいいのにね」
「そーだよねぇ。次来たら言っとくわ(笑)」
それ以来ショボーンと去っていったソノヒトはなっちゃんの前に姿を見せていないので、まぁ元気でやってんでしょと思うことに。
体貸してたあーちゃんと言えばその後何の障りもなく健やかに毎日を過ごしていましたとさ。