【世界の終わりの散文詩】
【 世 界 の 終 わ り の
散 文 詩 】
終わりがきた。
赤ん坊のようなまっさらな顔をして。
来訪者のようなつつましさで。
夜明けのように必然に。
世界の終わりが、やってきたのだ。
【 世 界 の 終 わ り の
散 文 詩 】
せ か い の 破 片 は
錆 臭 く 雪 に 似 て
天 で は な い そ ら
世 界 の そ ら か ら
あ ら わ れ い づ る
【 世 界 の 終 わ り の
散 文 詩 】
重く冷えた布の下
体は確かな熱を持ち
錆びたナイフは心臓へ届かない
世界の終わりなど
受け入れてなるものか
隣の誰かは顔を上げない
向こうの誰かも顔を上げない
ただ私ひとりだけが
オレンジ色のそれを見ていた
(終)
作品名:【世界の終わりの散文詩】 作家名:真朱@博士の角砂糖