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和尚さんの法話 「お地蔵さま」

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『悟り』

今回は地蔵菩薩のお話を、少しご紹介をしたいと思います。
皆さんのなかには、お地蔵さんといいますと子供の神さん、仏さんと、子供だけの神さん仏さんだと思っている方がいらっしゃいますね。
それは、そうではなくて、子供も、ということです。

兎に角、我々大人もそうですが、一切衆生ということですね。
人間だけじゃなくて動物、犬や猫に至るまで何とか、まずは人間にして導いて救うてやろうと、こういうふうなもの凄くそのご誓願が深いのです。

この菩薩。観音菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩。菩薩というその言葉がありますね、インドの言葉でボージサッタというんですね、サンスクリット語でボージサッタマハサッタと、それを漢字にあてているわけですね、ボサツマカサツというふうに。

だから漢字に意味はないのですよ。菩薩摩訶薩というのは、悟りを開いたという意味なんです。

その悟りというのも段階がいろいろありましてね、阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の、菩提というのが悟りなんですね。

菩提薩垂は悟りを求める人なんですね。

仏様の悟りを、阿耨多羅三藐三菩提というのです。

それを訳しますと、「無上覚」といいまして、この上無き覚りといいまして、これを妙覚(みょうがく)といいます。

その菩薩の段階があるわけなんですね、菩薩と呼ばれていないけれども、空海は日本に現れた偉い高僧ですね。
そういう方々も何処かの段階の菩薩に入っているわけなんですね。


「信の位、住の位、行の位、回向の位、地の位」と。

この位にそれぞれ十の段階があるんです、信だと、一信から十信まで。
初住から十住。初行から十行。

初回向から十回向。初地から十地と。

この十地という菩薩があって、その上に等覚という悟りの菩薩があって、ここまでが菩薩なんです。

この上が、無上覚という如来様の悟りがあるわけです。

阿耨多羅三藐三菩提ですね。等覚といいましたら、もう妙覚といいますね。

地蔵菩薩はこと等覚の菩薩になります。

お地蔵様も、観音様も、文殊菩薩も、普賢菩薩も、虚空蔵菩薩も、皆さんがよくご存知の菩薩は皆等覚の菩薩になります。

等覚というと、如来様と実力として等しいという菩薩で、いつ仏に成ってもおかしくない。

そういう方々を等覚の菩薩といいます。


等覚の菩薩は無数にありますね、観音菩薩や文殊菩薩は知っていますけど、我々の名前の知らない菩薩が無数にあるわけです。

其の中で一番上の菩薩が地蔵菩薩です。

等覚の中で一番、だから如来様の次ぎの菩薩と言える方なんですね。
ですから仏様が、この世へ次から次からと出て来られますよね。

恒河砂数の仏といいますからね。
ガンジス川の真砂の数ほどの仏様が、次から次からと出てくる。

この次ぎに出てくるお方が弥勒菩薩となっていますね。

仏様がこの世に出られて、次の仏様がこの世に出られるまでの間が長いですよね、何劫と。

この次ぎに弥勒菩薩がこの世へ出られるのは五十六億七千万年。
というのは、この劫という時間と比べれば短いですよね。

その仏様がお亡くなりになって、次ぎの仏様がお出ましになるまでの間を無仏の世と言いますが、仏様がいらっしゃらないから。
その無物の間を責任を持ってこの世の衆生を済度するお方が地蔵菩薩なんです。

ですからお釈迦様が亡くなる直前に、次の弥勒が出るまでの間に、衆生は拠り所が無いというので、地蔵菩薩よ汝に任すぞと、いうふうに任されるわけです。

お釈迦様がこの世へお出ましになる二劫ほど前に、この世へ仏様がお出ましになっていて、其のときにも、次ぎにお釈迦様という仏がこの世に出る、と。

其のときまで無仏になるので地蔵菩薩にお任せしますと、おっしゃったえるんですね。
そういうふうに無仏の世を救済するお方なんですね、お地蔵様は。


『等覚の菩薩』

地蔵菩薩が既に等覚の菩薩であったときに、其のときに地獄にあった衆生がお地蔵様に救われて、そして何劫、何百劫もの間、修行をしてきて十回向となってきてそして等覚の菩薩になって、如来に成ると。

そういう方がお地蔵さんに救われて、お地蔵さんより先に如来に成っている方が大勢あるんですよ。

ところが、お地蔵さんはなんで如来に成らないのか。

如来に成れないんじゃなくて、成らないんですね。

それは自分の誓願が終わらないために。

お地蔵さんは、一切衆生が全部、仏に成ってしまわなければ私は仏に成りませんという誓いをたてたんですよ。

一切衆生というのは、人間だけじゃないんですね、最後に虫の一匹まで、ということです。


衆生というのは、人間だけじゃないですね、獣類というのがありますね、それから鳥類、それから魚類、それから虫類、この五つがありますね、これを全部救わないと私は仏に成りませんという誓いをたてたが為に、いつでも仏に成れるんですけれども、成らないというわけです。

ですから等覚の菩薩に成ってからは一番長いんです。

だからいつもお地蔵さんに任されるんですよ、次の仏がこの世に出るまでの無仏の間を守ると。そういう方なんです。


地蔵経というお経はたくさんあるんですが、ここでご紹介をしようと思うてますのは、「地蔵十輪経」というお経なんですが、このなかの一説に、このように法を説いていますといろんな不思議な現象が起こるんですね。

どうしてこんな現象が起こるんですかと聞くと、菩薩のなかに地蔵菩薩という菩薩がいる、と。

その方が今ここにお出ましになるから不思議な現象が起こるんだという話がお経の中にあって、そこへお地蔵さんが南方から出てくるんですね。

北向きのお地蔵さんといいますね、お地蔵さんは南に縁があるんですね。
阿弥陀様は西に、西方の如来ですね。

お地蔵さんは南にいらっしゃるから北向きになるわけですね。
だから北向きのお地蔵さんというんですよね。

そしてお地蔵様には無数のご眷属がいらっしゃいますね、救われてお弟子になってる方ですね。それが無数にいらっしゃる。
そして仏様の前へ座られるのですが、仏様の周りを三回まわります。
そのとき左から回りますが、なんで左かといいますと、左は陽なんですよ。
手相を見てもらうとき女性は右手を出しますね、男は左ですね。
両方見ますけれども、主として男は左、女は右ですね。
右は陰で左が陽なんです。陰と陽をいいますと、陽を上といいます。
だから上から下へ回るわけです。
そして仏様の足元に礼拝するのです。
お釈迦様は如来ですが、お釈迦様がまだ凡夫のときに既にお地蔵様は菩薩でした。
ですがここではお釈迦様が如来ですから位が上ですね、だから礼拝をするわけです。
そして、その場には大勢の菩薩様がいますし、大勢の神が連なってるんですね。
弥勒、文殊、観音、普賢、そういう方々を一番天辺に戴いて、そして諸の菩薩方がずーっとある。

そういう菩薩方に対して、百劫の間一心不乱に帰依する。
そして名前を称えるのです。

お地蔵様でしたら南無地蔵菩薩、観音様でしたら南無観世音菩薩というように南無をつけて称えるんです。

そしていつも念じる。礼拝をする。それから供養をする。