生命戦争
プロローグ
世界中に歓声が広がる中、突如現れたそれが声を発する。
その光景を見ていた誰もが、呼吸を忘れ、目を開く。
まるで、地球ごと一時停止したかのように。
それは最後にして最大の、戦いの始まりを示した号砲。
我々は勘違いしていたのだ。
あまりにも当たり前なことに。
気づけなかったのだ。
彼らの、根深き怒りに。
未来から来た者と、未来を知る者は、軌道の反れきってしまった世界の末路を変えるべく、時を渡った。
一人の少女のもとへと。
今日は9月12日、世界が国境をなくし、差別をやめ、共に手を取り合うことを誓う日。
そんな日に、事件は起きた。
「人の時代は終わったのだ。食物連鎖の糧となれ。」
この言葉を機に世界は戦火に包まれる。
人以外の動物 vs 人 の戦争の幕が開いた。