人の心、自分の心~季節外れの朝顔と秋の空~
どうして、人の心が判るだなんて思ったのだろう
悩んで悩んで出した結論だった
やっぱり誰かを泣かせちゃいけないよね
たとえ、そういう生き方しかできないとしても
少なくとも 泣かせている人に対して済まないと思う気持ちだけは
忘れちゃ駄目だよね
たとえ自分じゃない誰かのことでも
私にはどうしても、そういう生き方は受け入れられなかった
どんなときでも誠実に生きていきたい
それが器用には生きられない私のたった一つの願い
秋の空が高いね
幼い娘とまいた季節外れの朝顔がひっそりと咲いている
夕べ、親友とたくさん話をした
彼女は黙って私の話を聞いてくれた
あなたの選んだ道は間違いはないのだと
誠実に生きることが人としては最も大切なことではないかと言ってくれた
私の側には誠実な友人がいてくれることに心から感謝した
むしろ そういう決断をしたことは良かったのだと言ってくれた
季節外れに咲いた朝顔は長い夏の終わりにまた実を結び
来年には美しい花を咲かせるだろう
人生に出逢いと別れはつきものだ
たとえ意に添わぬ結果になってしまったとしても
その試練を乗り越えて前に進まなければならない
だから 私は前を向いて進むしかない
それにしても 空が高くなった
今年の夏も終わった
透明感を増した初秋の空を見上げた私の眼にふと涙が滲んだ
作品名:人の心、自分の心~季節外れの朝顔と秋の空~ 作家名:東 めぐみ