小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

【実話を元に】友達の友達がとてつもなく可愛い01【仮想】

INDEX|1ページ/1ページ|

 
アズマさんと距離を縮めたと感じた日から、私は気が付けばアズマさんのことを考えていた。
アズマさんとメールができるだけで嬉しかった。
どうやら現在、アズマさんは女の子に飢えているらしく、私と関われるだけでもいいみたいだった。
物寂しいとかよりも、アズマさんと関われるだけで私も幸せになれた。

そんなある日、アズマさんとごはんに行く話になった。
通勤のために隣の県で部屋を借りて独り暮らしをしているアズマさんの部屋を見に行きたいという話をしていたら

「見に来る?いいよ」

と軽く返され、私は戸惑った挙句、じゃあまずはご飯からで、という結論に落ち着いた。
その日、私はそわそわしたまま待ち合わせに向かった。
金曜ともあり、待ち合わせ場所の駅は人が多く感じる。
大学で講義があり、終わったらそのままくるというアズマさんを私は待った。
アズマさんから電話が来て、難なく互いを探し出し、挨拶もそこそこに二人でお店に向かう。

「ごめんね、お店探させちゃって」
「いやー楽しそうなとこ探して、俄然やる気でましたわー」
「お酒、飲まないからね」

以前、アズマさんはお酒で失敗している。
会社の飲み会で、女性の上司に酔って迫ってしまったらしい。
穏やかな雰囲気の彼からはそういった部分は普段、感じられず、寧ろ周囲から童貞臭いとイジられているほどだった。
そのギャップに私はまた魅力を感じた。

「まぁまぁ、ほどほどに」
「キョウさんに迫っちゃったらどうすんの」
「離れて観察しとくんで、大丈夫です」
「寂しいだろ。キョウさんお酌してよ」

冗談を交わしながら、店に向かった。
お店は個室の居酒屋で、とりあえず私たちはビールで乾杯という風に落ち着いた。

「キョウさん最近、ソウタさんとどうなん」
「急になんなんですか」

飲んでいたビールを吹きだしてしまいそうになった。
私とソウタは妙な関係で、二人で一緒にいる時間は格段に長かったが、友人以上でも以下でもなかった。
しかし、ソウタは私に執着心をもっている様子であり、アズマさん始め、周囲の人間はそれを察知し、気を張っているようである。

「どうともないですよ」
「いやー二人で飯ってるとか知られたら、俺殺されるかな」
「関係ないじゃないですか」

冗談交じりにアズマさんが呟いて、私はそれをなだめた。
もし実際に殺されることがないとしても、この事実がソウタに知られたら、確実に何かしら良くない状況になるだろう。
でも、私としては知ったことではない。

「あービールだけで酔ってきたかも」

ほぼ空になっているジョッキを机に置きながら、アズマさんは顔を手で押さえた。
頬や耳が仄かに上気し、赤みを帯びているのがわかる。
私は流石にまだ余裕があったが、外出先での飲酒を好まないので、この一杯で押さえ、アズマさんを酔わせることに専念したい。

「ちょっと顔赤いですかね。というか早い」
「だって弱いからさぁ」
「まぁまぁ、今日は飲みましょう」

呑むことに満更でもなさそうなアズマさんを強引に押し切ると、彼は追加でカクテルを頼んでいた。
二人ともそこそこに小食で、こじんまりと料理をつつきながら、どちらかというと呑むことに集中していた。
アズマさんは少し饒舌になり、テンションも高ぶっている様子である。
私はアルコール摂取がビールのみだったにも関わらず、空気と胸の昂りだけでテンションが上がっていた。

「アズマさん、手ぇ綺麗ですよね」
「そうかなーそんなにだと思うけど」

グラスを持つアズマさんの手にふと目が留まった。
痩せている、体力がない、太らないといけない、と、アズマさんは常々自分のことを言っており、きっとこの人は手が綺麗なんだろうなぁと想像していたが、
想像に劣らない美しい手で、私はずっと眺めていたいと感じた。

「触っていいですか」

私のお願いに、アズマさんは左手を突き出す。
細く血管の浮いた腕に、骨の浮き出た手の甲、指は長く、爪はとても綺麗だった。

「キョウさん、くすぐったいわ」

アズマさんは照れ臭そうに笑っていた。

「ごめんなさい。あ、写真、撮っとかせて下さい」

アズマさんが癒しだったので、その材料として写真を求めた。
顔とかじゃなければ、と、アズマさんの快諾を得て、私は手の撮影を始めた。

「あのさ、撮ってもいいんだけど、俺もキョウさんの写真、欲しい」
「そうですね、私ばっか悪いですし、どうぞご自由に」
「んー…スカートめくってさ、パンツ見えそうで見えないとことか、いい?」

アズマさんの要望が意外すぎて、私は一瞬、思考を停止させていた。
しかし、少し嬉しいのと、恥ずかしいのと、でも期待に応えたい気持ちで首を縦に振った。
幸いにも個室であったので、さっさとセッティングし、さっさと終わらせた。
予想以上にお気に召されたのか、アズマさんはずっとスマホの画面を覗いている。

「恥ずかしいです」
「その恥ずかしがってるのが良い」

スマホから視線を私に向け、アズマさんはニタァっと笑みを浮かべた。

「うー、やっぱアズマさん意地悪ですね」
「うん、キョウさんいじめるの、ちょう楽しいわ」

笑みをたたえながら、アズマさんがカクテルを口に運んだ。
私は悔しくなり、私だってアズマさんのあんなところやこんなところが見てみたいという気持ちになった。

「アズマさん、服のボタン、外させて下さいよ」
「えー…ここで?というか、なんでまた」
「人の服脱がすの、私好きなんです」

アズマさんは少し考えるそぶりを見せた。

「キョウさんさ、うちの部屋見たいって言ってたよね」

問いかけに私はうなずいた。

「じゃあ、うちの部屋においでよ」

そういったアズマさんの顔は割と真剣で、顔の赤みも引いていた。