世界を支配する方法 其の伍
A:「はい。あなたが、です。あなたは『この作戦を成功させる可能性の高い人類』として選ばれました」
俺:「?……人類?」
A:「わたしは……この惑星の住人ではございません。わたしはあなた方が『シリウス』と呼んでいる恒星の出身です。まあ、要は……宇宙人ということです」
俺:「はっ……?」
A:「あなた方、『地球人の常識』からすれば『荒唐無稽な存在』でしかないでしょうが、宇宙はそんな『狭い常識』ではありません。あなた方が『宇宙人なんていない、信じない』ということ自体が、すでに『プロパガンダ・洗脳』が完了している証拠でもあるのですが、自覚はありますか?」
俺:「あ、いえ……」
無い。
あるわけが無い。
これまでの話はまだ「信憑性が高い話」だったからまだいいが、「宇宙人」なんて……さすがに信じられない。
俺:「すまない、とてもじゃないが、それは信じられない」
A:「なるほど、そうでしょう。では、わかりました。我々が『宇宙人である』という証拠をお見せしましょう」
そういうと、Aは着ているスーツの胸ポケットからペンのようなものを取り出し、それを俺に向けた……次の瞬間、
俺はまた気絶していた。
勘弁してくれよ。
作品名:世界を支配する方法 其の伍 作家名:mitsuzo