死人
姉は、これからどうするつもりなんだろう。
僕を殺すチャンスは、あのアパートの一室に僕が入っていた時に、十分あった。
それでも何もしなかったところからして、写真のことを知られなければ安全そうだ。
それに、僕が末西君のお化けにとり殺されるのを防いでくれたのかも知れないし。
今のままの状態を維持するのが、恐らく最善の方法だろうと思う。
今のままなら、姉はなにもしない筈だ。
多分、大丈夫。
僕は姉の写真を封筒にしまって、封筒の口から中身を見ないように指で写真に触れて、親戚の女の子の葬式を思い出した。(了)