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かいえだくんとおれ

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それは突然のことだった。
梅雨の最中の鬱陶しいある日、水泳部後輩の海江田からのDM。
ツイッターで繋がってはいるものの、晴れて妻子持ちとなったあいつから個人的な連絡があるのは珍しい。
何事かと思えば…「8月某日あいてますか?」
…なんだ!?デートのお誘いか!?いや、だってお前のんけに戻って妻子持ちだろう!?などというパニックを起こすこともなく。
先輩らしく、可愛い後輩にはおおらかに優しく接するのが俺流である。数分後返した返事は・・・
「お盆あるし、今んとこ予定ないけどわかんないww」だった。
いやー、だってなぁ、日本の古式ゆかしい行事だし、先祖の霊を迎えるのも大事だろー?
ってことで、まぁ、とりあえずのおっけーを出して迎えた今日。
うん、まぁね、分かってたよね。卒論間近だし、実習とかあったし、基本ぼっちだし&
危うさのかけらもなく、無事に今日という日を迎えたさー。
昼は別件で用事があるという海江田を朝から待った…りなんてしてないんだからねっ!!
学園の子に会うの久々だし、夏休みなのに何の予定もなかったからってうきうきとかしてないんだから!!
とまあ、最近覚えたツンデレは捨てておいて…イラネッ(゚Д゚=)ノ⌒゚
大人しく家事などしつつ、連絡を待ってみたり。
男の一人暮らしって家事たまるよなー。ってやってたら、連絡来るころには昼寝起きでぐちゃまらになった髪を適当になでつけてあわてて家を出るなんて言うのはまぁ、ご愛嬌というかいつものことというか。
相変わらず顔文字が必ず一個は入ってるメールの可愛さに悶えつつ、バス停あと一個ってとこでメールしてみたり。
で…すれ違ってみたりorz
確かに、俺がメールしたけどな?『○○ホテル付近~』ってしたけどな?
『○○ホテル…迎えに行きますね!!』って返事来たときには当初の待ち合わせ場所についてたわけで。
あの…海江田君…下手に動くんじゃねぇ!!!うん、俺が早めに連絡したせいか…。
完全にすれ違ったから、仕方なく戻ってこーいを発動。先輩権限って大事だ。
数分後、相も変らぬ胸筋と、最近隠すことを覚えたらしいおみ足にナイスポーズを心でかまし、学園卒業後も変わらずむーみん好きな妻子持ちのためにむーみんカフェに。
今日は誕生日の子がいたせいかむーみんが来てましたよっとね。
後ろ姿に胸きゅんする後輩にきゅんしつつ買い物終了。
…うん、ここに来た目的それだけか…いや、いいけどな。たまにはな。
お互い物欲が薄いのかなんなのか、中心部に戻って、トレーデイングなもちとか、トレーデイングなにゃんことか、トレーデイングなバスケ部員を購入。
…これ分かる子はお兄さんとお付き合いしてみませんか!!と宣伝しながら、次の工程に。
ちょっと早いけど、あまりお腹空いて無さげな海江田誘って夕飯。なんせ待ち合わせが四時過ぎだったからな…俺のお腹の虫が鳴る前に…なる前にっ!!
『先輩何食べたいです?』なんていっちょ前に気を使えるようになった後輩に成長したなぁなんて心の中で涙しつつ『何でもいいぞー』とか。
ラーメンだの脇おにぎりだのが似合っていたあの頃よりもずっと成長した後輩のチョイスはイタリアンで。
バーニャカウダとパスタ二種、お酒にデザート。
酒飲めるようになったんだよなぁ…なんて感慨にふけるのも年の証拠かな…。
いや、まだ若いけども!!
愚痴っていうか弱音っていうか…思い出話しつつ寂しくなったりして、でも、こういう話を聞いて受け止められるようになったんだなぁと後輩の成長が嬉しくなった今日この頃。
俺が、明日早いからってんで解散になったけど、最後はしっかりはぐして。
…はぐした時になんかいい匂いしたんだけど奥さんの残り香か…?なんて詮索はしないけどしないけどね!!
まぁ、数時間でもあえてよかったよ。うん。
次はみんなで同窓会とか思い出捏造とかしたいなってわかれた。
ところで…海江田君よ。お土産がやけに可愛いブローチだったんだが…これ使って嫁さん見つけろってことか!?俺頑張る!!なんて思ったのはまた別の話。
作品名:かいえだくんとおれ 作家名:戦部 朱姫