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薄桃色の蓮の花びらが

濁った水の中に浮いている

花びらは小さな船のように浮いている

丸くなった水滴が船を操りながら

流れの無い池を小さな世界なのに

風に揺れながらどこかへと向かっている

茎から伸びて咲く蓮の花よりも

そのさまよう蓮の花が美しく見えるのは

ぼくだけなのだろうか

そのさまよう蓮の花が愛しく思うのは

ぼくだけなのだろうかと

蓮の花びらの水滴が虹の球になる

虹の言葉が聞こえてくる

もう逢えないのに逢える気がする

小さな世界だからきっと逢える気がする

蝉の声が暑さを背負ってくる