ぼくのおじいちゃん
お題:素晴らしい祖父 制限時間:4時間(実質15分)
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ぼくのおじいちゃん
「ぼくのおじいちゃん」
ぼくの おじいちゃんは
とってもすてきな おひげをもっています。
むじゃむじゃの まっしろい おひげです。
そして、とってもすてきな あたまです。
つるんつるんで いつも ひかっています。
ぼくの おじいちゃんは まいあさ こうえんにいきます。
そこで うえのふくを ぬいで
かわいたたおるで からだを ごしごし こすります。
あついひも さむいひも
こうえんで ごしごし ごしごし こすります。
そして、「きえーーー!!」と、おおきなこえをだします。
まわりの ひとから みられます。
でも、おじいちゃんは それでも やめません。
あるひ こうえんのそとに いぬが とびだしました。
そこには、おおきなトラックが はしっていました。
おじいちゃんは トラックの まえにでて
ばっとりょうてをひろげました。
でも、トラックは、きゅうにはとまれません。
おじいちゃんは、トラックを、ゆびをいっぽんだして、おしました。
すると、トラックがとまって、トラックのまえのところに あながあきました。
おじいちゃんは とても つよかったです。
ぼくのおじいちゃんは とってもすばらしいとおもいました。
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最近、これが引出しの奥から出てきた。
僕が確か、小学2年生の時に書いたものだ。
もう10年も前になる。
これは、妄想でもなんでもなく実話だったのだが、
この作文を発表したときは、教室に爆笑が起こったし、
先生からも
「ケンヤ君、嘘はいけませんよ。」
と、笑い涙をこらえながら僕に言った。
「うそじゃない!!」
と言っても、誰も信じてくれず。
でも、僕は確かに見たんだ。
じいちゃんがトラックを指一本で止めたところを。
今、そのじいちゃんが何をしているのか、どこに居るのか…
それは、誰にもわからない。
じいちゃんは
「葉巻を買いに行く」
と言ったっきり、帰ってこなかった。
出かけ際に、
「ケンヤ、強い男になるんだぞ」
と、真黒く日焼けした手を僕の頭において、
ニカッと真っ白い歯をのぞかせた。
じいちゃんの頭で太陽が反射する光がとてもまぶしかった。
…噂によると、ヒマラヤで熊と闘っているのを見たとか、
ピラミッドを素手で登っている日本人が居たとか…
だけど、誰にも正体がわからないらしい。
僕の、おじいちゃんは、本当に、素晴らしいおじいちゃんだ。
2013.08.06