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セテゥンタ
セテゥンタ
novelistID. 44095
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自分革命

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辺りは、既に真っ暗だった。部屋に戻ると、私は、カーテンを閉め、蛍光灯のランプを付けた。8畳の部屋にパソコンと机が1つと椅子が1つ置いてある。私は298円の弁当を机に置いて、蓋を開けた。いつもと同じパソコンのモニタを見つめながら、ウィンナーに箸をかけると、私は目を閉じた。すると、どうだろう。先ほどまで映っていた机やモニタが私の目に映らない。あるのは、目の前の闇と箸に握られたウィンナーの感触だけである。私は、そこで、弁当を買いに行った光景を思い出してみた。すると、どうだろう。目の前に、石で引かれた歩道や並木道の光景が現れた。それに、私が歩く光景があるではないか。私は微かに感じる風を感じながら、ウィンナーを食べる。
「うまい!」
腹の底から、湧き上がる、今までに無い味がした。私は一気に、ウィンナーを食べつくす。そして、再び、目を開けた。すると、先ほどまで映っていた光景がどこにも無い。

今度は、ご飯に箸をやる。そして、箸でご飯を持つと、私は公園のベンチをイメージした。公園に行ったことなど、この半年間、無かったが、私はとにかくイメージした。そして、私はそのベンチに座り、草木の味を鼻で堪能する。周りには公園で遊ぶ子供や、いちゃつくカップルが手を繋いで歩く光景も映ってしまったが、そんなことは関係ない。私はもう一度、鼻で息を吸って、草木の味を嗅ぐ。そして、ご飯を口へとほおりこんだ。すると、どうだろう。今度は腹の中でご飯が踊りだした。私の口の中に、ご飯の残りカスと唾液が広がる。私はそれらを余す残らず、胃の中へと、ほおりこんだ。そして、再び、目を開けた。

今度は、箸でイカの天ぷらを掴んだ。そして、目を閉じずに、辺り一面に広がる草原をイメージを想像してみた。すると、パソコンのモニタや机、目の前のカーテン、蛍光灯のランプが消え、目の前に草原が広がっていた。どこまでも広がる草原に注ぐ風と太陽、草木の臭いを堪能して、胃の中にイカの天ぷらをほおりこんだ。私の胃は、弁当に惚れこんでしまいそうなくらい、胃の中がとても、心地良い感じになった。私はそこで、筆を止めた。
作品名:自分革命 作家名:セテゥンタ