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飛鳥川 葵
飛鳥川 葵
novelistID. 31338
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いるいる辞典 スピッツな人

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秋子の悲鳴は週に一度はあった。おまけによく喋る。口癖は「おばちゃんは駄目ね」である。覚える気は端からないらしい。
「田部さん、よろしいかしら」
 覚えのある顔の1人、山下美和子である。正直関わりたくない人物だ。自分大好き人間で、気に食わないコトがあれば所構わず喚き散らす。まるでスピッツだ。
「なんでしょう」
「わたくしはゴミ係じゃありませんからね。備品は整理しますけど、補充は各自でして下さいね。さっきゴミ袋が切れてましたのでね」
 チェックするくらいなら自分でやれよと言ってやりたい。だがそこは大人の対応で返しておく。それが一番だ。何か言えば噛みついてくるのだから。
「了解しました」
「よろしくお願い致しますね」
 去り際に舌を出してやったのは言うまでもない。その時、耳元で声がした。
「いけないんだぁ、タベっち」
 驚いて振り返る。いたずらっ子な微笑みを浮かべたさやの登場だ。気配を殺すのは特技とみえる。
「見ちゃった」
 何かの用で後ろを通ったようで、後ろ手を組んで楽しそうに席に戻っていった。罰は悪くはならず、不思議と癒されてしまった。全く敵わないお姉さんだ。

 昼休憩をハンバーガーで済ませていると、DMが楽しそうにやってきた。
「おい、田部。これ見ろて」
 突き出したるはただのジャムパンである。袋を見ても何の変哲もない。
「この袋よぅ、パンパンだろぉ。パンの袋がパンパンだて」
 きょとんとしているとDMは繰り返した。どうもダジャレを聞いてほしいだけのようである。
「えっらいパンパンっスね」
「だろぉ」
 満足げにパンを叩きながら去っていった。全くもってどうしようもない人だ。このD.O.の先行きは不安である。オレも身の振り方を考えなければならないかもしれない。