choose me please part4
あの日、あの場所でマキは何があったんだ
襲われたのよ
誰に?
私の仲間にね
誰だよそいつ!名前は?マキはそいつのこと見たのか?
目隠ししてたから見えるわけないじゃない
なんで…マキがこんなことになってんだよ
残酷な世の中ね
まって…教えてくれよっお願いだ…
私と付き合ってくれたらいいわよ
わかった―――――
一馬はこの日から愛華の恋人になった。
「一馬ぁーっお弁当つくってきたよぉーっ」
一馬の腕をとり胸をこすり付けても何も感じない。
そんま鈍感(?)なところが愛華にとって萌えるらしい。
「あーんしてあげるねっ」
むりくり一馬の口につっこむ愛華。
昼には一馬の教室に、帰りには下駄箱に来る。
もういやになるほどしつこいし重い。
マキのために…と思えばなんとかやっていける。
「ねぇねぇ…ちゃんとあたしだけが好き?」
「あぁ。」
帰り道毎日聞かれる。
答えるのがめんどくさいぐらいだ。
2人並んで帰っていると、前にカップルがあるっているのが見えた。
「ん…」
よーくみると辰巳とマキ。
仲良く寄り添い歩く二人。
一馬はマキとあんな関係を望んでいたのだろう。
「あー…そうだ!四人でデートしようか!きーまりっ」
「は、はぁ!?」
一馬の答えも聞かずにマキたちの方へ走っていく愛華。
「マキちゃぁーん、辰巳くーん!四人でダブルデートしない?」
「お、愛華じゃねえか。四人って…愛華と俺とマキしかいねぇだろ?」
笑いながら辰巳が言う。
マキに釣り合うぐらいの輝きを辰巳は放っていた。
「あっれー…一馬がいないっ。ちょっと電話で呼び出すね」
ぷるるるるるるるるる
「な、なんだよ。俺の意見ぐらい聞けよ」
機嫌悪そうに一馬が電話を出た。
「主導権はあたしにあるの。来なさいよ。」
「…たっく。」
つーつーつー
電話が切れるのと同時に一馬は三人の目の前に現れた。
いったいどこに待機していたのだろうか。
「デートっていったらココ!遊園地でしょーっ」
定番の遊園地に四人で行くことになった。
「ねぇ、一馬あそこの観覧車でキスしたカップルはしあわせに…」
「あー喉乾いたー。なんかのまね?」
ワザとに話題をそらす一馬。
「なー、辰巳二人で観覧車のるか?俺たちの愛をみせようぜっ」
一馬が辰巳の肩をつかんで笑う。
いや、その笑みはけしてわらいとは言えなかった。
「気持ち悪いこというなよなぁー。俺はマキとのるよ」
辰巳が笑って見せた瞬間、いきなり肩をつかんでた腕に力が入る。
「なっなんだよ一馬!いてーじゃねえか。離せよっ」
そんなセリフをいうにも辰巳はへらへらにこにこしている。
へらへらしている辰巳の態度に最近は腹が立つ。
なんでそんなにへらへらしてんだよ。
俺の気持ちも知らないで。
「…好きなんだぁ~…」
つぶやいただけの愛華の一言にぞわっとくる一馬。
「愛華のことがね」
ただそういって愛華の頭をポンっと撫でる。
「うぅ~~~~~っ」
(そんな風にしてくるから一馬の事諦めきれないんじゃんっ
本当に好きなのはあたしじゃないってわかってる…ずるいよね、
どんな手でも使って勝てばいいんだよ…それが恋)
作品名:choose me please part4 作家名:河童 マキ