無職で家無な俺でも運はある
俺は29歳の羽根田元保(はねだもとやす)。無職の家なしである。
理由は言いたくないが今、俺は公園のど真ん中で寝ていた。
金もない。
もちろん食いもんもない。
親にも見捨てられた。
そんな中、今までにないような空腹が俺を襲った。
腹が怒ったのだ、と俺は思った。
「空から金が降ってこないかなー」
無意識の内に俺はそう呟いていた。
なんかの芸でもないし、神様も俺を見捨ててるんだし、第一そんな怪奇現象起きるはずがない。正常の人間ならそう思うはず。
しかし、もうまともに頭が働かない俺はそう呟いたのだ。
「そんなわけないじゃん、ホムさん」
ふと声のほうを振り向くと、見たことない子供が俺に近づいていた。
見た目は小学2年生くらいの女の子。青い帽子をかぶっていて、ワンピースを着ている。
「君は誰?」
まるで子供のようなことを言ってしまった。
その女の子はププッと笑い、こう言った。
「あなたの女神様」
そう言った後、その子はどこかに走って行ってしまった。
作品名:無職で家無な俺でも運はある 作家名:DG4