百日紅
何処へ行くのだろうか
百日紅の木陰で休んでいる
白いハンカチで首筋の汗を拭いているのだが
百日紅のエンジの花のどこか暑苦しさを
あなたの白いワンピースと
その白いハンカチと
白い手やさわやかな空を観る顔が
その暑苦しさを和らげてくれるようだ
あなたが歩きはじめると
白い雲が日傘の様に日差しを遮ってくれた
百日紅の花も白い花が見えるから
あなたは白いハンカチをバックにしまい込んだ
きっとあなたは駅に向かっているのだろうと思う
きっとあなたは誰かに逢うのだろうと思う
駅が近くなるとあなたの笑顔が
百日紅の白い花の様にさわやかな木陰を造ってくれる
日傘を持たないあなたは涼しそうに見えてくる