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福沢諭吉が現在選挙を心理学的に考えてみたら

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TV:「そろそろ参議院選です。昨年の衆議院選と同じ流れになるのでしょうか、
   皆の意見も聞いてみましょう」

現代に甦った諭吉は、応接間のソファで、ビールを片手にニュースを見ている。

若そうなカップル:「やっぱり自民党かな、いぇ〜いv」
諭吉:「やっぱり? 自民党=アベノミクス=すごい=参院選の自民選出議員もすごいのハロ効果か、だとしたら色眼鏡を外してみんとなあ」
 
23歳会社員男性:「みんなが自民党にいれるから私も」
諭吉:「自分はどうしたいのだろう?私がいた時代は自立を第一としていたはずだが、、まあ、、マスコミのような情報提供媒体が、表層のバイアスで成り立つ社会を形成する原因となっているのは疑いが無い。それで作り上げられた「多様な価値観」という実は表面的で排他的なものが、自立を妨げているのかもなあ。しかしみずから難解な方向に向かっている事に皆は気づいているのかな」
    
55歳主婦:「候補者が若いから」
諭吉:「確かに、政治は今を生きる人間全てのために、社会をより良く作り上げるためのシステムであるから、現代の日本政治には新しい環境(社会)で育ってきた、それを背景とした意見を代表できる若い政治家が必要である。だが、もし外見だけが若く、中身は既存の政治家と変わらない、そのような輩であれば変革をもたらす事は不可能であろう。」

31歳IT会社役員:「民主党がだめだし、自民も怪しいから、みんなの党に投票します」
諭吉:「みんなの党が結果的に大勝したとしても、それが党の政策を正当化する理由になるかな。後付けの理由ではなく、投票前の構成要素の吟味、それこそ皆がすべきことであろう。」
 
匿名多数「誰に入れても一緒だから、投票しないと思います」
諭吉:「誰にまかせても大差のない過去の結果のバイアスから今回も同じということか。だがそもそも、0か100かのごとき分かりやすい結果などは人間の能力のみではなく、運が作用した結果だという事に気づいているかな。政治家はヒーローじゃあない。政治にストーリーを求めるのも無意味だ。ちょっとしたことを実現出来そうな人に投票してみればよい。」


テレビを消した。

現代に適した「学問のすすめ」を書こうとしていた諭吉は、
後50年、更新が不要な事を確信した。
また、明日も平和な現代で、食う寝るのみを実践し、愚民を研究しようと考えた。