ネット世代
そんな事より、何でバーボンなんて言葉を聞いてきたかが問題である。俺は下戸であるゆえ、酒には詳しくないので、適当なことしか言えないのであるが、とにかく結構強そうな酒なんじゃないかと言う気はしてくる。
いや、バーボンっていうのは多分、お酒の事だからね、まだそう言う話は早いんじゃないかな。お父さんらしい返答が出来たと思う。しかし、実際にはバーボンなんてものは知らないので、適当な事を言ってはぐらかしたに過ぎない。
仮に、娘がバーボンの事を、おとーさんは大人だから知っててとーぜんよね、きゃは。みたいな感じで聞いてきていたのだとしたら、どうなるんだろう。今ならネット全盛の時代、ちょちょっとインターネットと言うものを開いて、検索エンジンとやらで単語を入力すれば、クリック一つで世界が広がる、そんなワールドワイドウェブの世界。何でそんな初歩的な知識を説明口調で話すのか。というのは最近インターネットと言うものを詳しく俺が知ったからであり、携帯電話でネットにつながれるってことも最近知った。
だから、娘が、おとーさんはおとなだからこれくらいの事は知ってるよね、という信頼のもとで俺に質問をしてきた場合、それに答えられないと俺はインターネット以下の存在だと娘に思われてしまうのではないかと言う懸念が、急に生まれてきてしまったのだ。今まではそんな事心配するまでもなかった。俺はパソコンを使ってはいるが、ワープロソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、そんなオフィスワーカーの必須ツールしか使っていないので、正直なところインターネットで調べものなんて行為に縁はない。俺の時代は自分の脚で、それこそ図書館に足を運んで、地道に文献を漁ったりしながら目的の情報にたどり着くものだ。これは人間にしかできない事だし、今でもそれは同じだ。しかし娘にそれを求めるような事はしない。子どもと言うものはそれぞれの時代に即していく。ジェネレーションギャップなんてのもまた然り。
しかしそれとこれとは話が違う。
お父さんへの信頼が、バーボンってのは良く解らないや、っていう適当な受け答え一つで失墜してしまう可能性がある以上、今の俺は娘より早く、バーボンと言うものについて知識を得なければならない。
しかし俺のパソコンは職場だし、携帯電話で検索機能を使うやり方がわからない。
娘の考えはこうだ、検索をすれば解るかもしれないけど、おとーさんに聞いた方が確実だしきっとわかりやすいよね。これが身近な人にものを聞くと言う行為の所以だ。ネットの情報は確実と言う訳ではないとも言うしな。
では娘のパソコンはどうだろう。この前買ってあげたのである、ノートパソコンを。今の時代ならそれぐらい普通だし、ペアレンタルロックとか言うものも付いてるとかーさんもいってたから、購入を許可した。娘は今テレビを見ている。こっそり娘のパソコンを使うのは忍びないので、パソコン使うぞと声をかけた。良いよと言ってくれたので、娘の部屋のパソコンを開いて見た。
一時間で100いったらおっぱいうp。
ようこそ、バーボンハウスへ。
作品名:ネット世代 作家名:即興小説あっぷあっぷ