Daybreak 〜その先にあるもの〜
テストが近づくと毎回クラスの子達が私にノートを貸してくれと頼み込んでくる、テストに限らず宿題が出ていれば見せてとせがまれる。私はコツコツと宿題もしたし復習もしていた。だから、こんなありがたい存在他にはいなかったんだろうなと今では思う。
テスト前になると、本気で深夜まで勉強をした。0時を回るのは当たり前で3時とか4時まで机にかじりついていたこともある。たまにお母さんが夜食を持ってきてくれたりもしてたなー。少しでもうたた寝してしまったらショックで塞ぎ込む。「良い点数じゃないとダメだ」「90点以上をとらないと」自分で自分にプレッシャーをかけ続けた。英語の場合は一つのリーダーの話をまるまる暗記した。社会も理科も丸暗記。数学は分からないから必死で何回も何回も問題を解いたり。
テストが終わっても私は解放されない。次はテストの返却があるからだ。名前を呼ばれた瞬間と点数を見る瞬間の緊張は今でも思い出せる。そして、90点以上ならオッケーで80点以上ならちょっとダメで、80点以下ならやばいと思ってしまう。私が席に着くと周りがいつも聞いてくる。「幸、今回は何点?」「岡田お前何点だった?うわー、全く勝ち目ないわ!」「惜しい、あと少しで幸の点数を越えられたのに!」そして安堵する。今回は乗り越えられた。良かった、認めてもらえたと。
作品名:Daybreak 〜その先にあるもの〜 作家名:リサ