パチスロ(幸せの概念)
それまではパチンコは気分転換のつもりであったが、つい大勝ちすると欲が出た。勝つまでやろうとする気持ちになってしまった。だから金があるうちはついパチンコ店に足が向いてしまった。現在は以前の様にパチンコ店も繁盛はしていない。1円パチンコなどに人は多いが、パチスロをやる人は少ない。1時間で2万円ほど使ってしまう時もあるからだろう。
若者はうろうろしながら、誰かが金を使った後で1000円ぐらいやる。いわゆるハイエナと呼ばれている連中だ。仕事もしないでパチンコ店に入り浸りなのだ。それでもトータルすればマイナスだと言うから、親のすねをかじれるうちは良いが、そのうちの何人かは悪い事をするかもしれない。
娯楽として遊んでいるうちは良いが、やはり、余り大勝ちするとつい欲が出るものだ。考えて見ると株の信用取引もそんなものかもしれない。現在はやらないが、以前は1千万円ほど計算では利益を得た事があった。結局は売買を繰り返すうちにマイナスとなった。
汗を流して働き、その労働の分得た報酬で生活することが、分相応と知った。今日は暑いなか、庭の木の剪定をしてみた。妻が出してくれた冷たいトマトを丸かじりしたら、今までに食べた事も無かったような美味さを感じた。後で聞いたのだがそのトマトはたったの25円だそうだ。その時の美味さからすれば1万円以上の価値を感じた。
今更と言う気もするけれど、欲に目が眩むとロクな事がないのかもしれない。知らない方が多いかもしれないが、東京都知事の美濃部さんが東京都のギャンブルを廃止した。税収が減ると言った反対もあったが、正しかったように感じる。
もはやパチンコは廃止は出来ないだろうが、もう少しギャンブル性をなくした方が良いかと感じた。一時期規制されたのだがまた復活したように感じるが、それは業界の圧力があるのだろう。パチンコをやる人の大半は娯楽ではないかもしれない。
パチンコは一時的には娯楽の範囲であるが、家庭崩壊、子供の車に放置した死亡事故など良い事は無い。でも人の欲望は抑えることはできない。
政治の力とはこのような時に必要なのかもしれない。
作品名:パチスロ(幸せの概念) 作家名:吉葉ひろし