魔女と魔女狩り Ⅴ
―9章―
私は粗末な馬車の荷台に投げ入れられる
ごとごとと馬車は揺れながら動き始める
「ふふ…ふふふ」
私は笑ってしまった
今の私はなんて滑稽なのだろう
なんて惨めなのだろう
「…なにを笑っている魔女」
見張りのために同じ荷台に乗っている彼は不審そうな顔で私をみた
「…可笑しいんだよ。すごくね」
そう答えるとさらに不審そうな顔をした
だから私は続けてやった
「だって、可笑しいじゃないか
長年付き合っている仲間が魔女だとわかった途端、
彼らは私から目を逸らしたんだ。
これ以上、可笑しなことないじゃないか!?」
……自分で言っていて惨めに感じてくる
なんだろ…
なんだかすごく、胸が痛いよ…