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第１７話「変わりゆく世界、広がる闇」

コツコツコツ…キィィィ――…
ブラックメシエが右手にダークスタースピアーを持ちながら廊下を歩き、大きな扉を開ける。
部屋の奥では形を成さない黒いすすの塊のようなものがゆらゆらと動いている。
「メシエよ…体も心も軽いであろう…何も考えず、苦しむ事もないであろう…。
それが私達の目指す闇の心…。そして世界…。」
「父ノ目指ス全テノモノガ私ノ願イ…ゴ命令ニハ全テ従イマス。」
「ああ、私のかわいい……」
バンッ！！
「おかしいだろ！？」
扉を勢いよく開けて乗り込んで来たのは…バルジだった。
髪は乱れ体もボロボロ。息もはぁはぁと荒くなっている。
「娘だからって…自分の思うがままに動かしていいのかよ！？
こいつの心も体も全て奪って、自分の命令通りに動かして…それでも親なのか！？」
「…誰だ？このゴミのような男は。」
「なっ…」
「存ジマセン。」
ブラックメシエは冷たい表情のままだ。
「メシエ…俺だ、バルジだ！目を覚ませ！」
バルジはそう言ってメシエに駆け寄るがスピアーを振った風圧で跳ね飛ばされる。
「うあっ！！」
「メシエよ、あの男はお前に刃向かうようだ。消してしまいなさい。」
「承知シマシタ。」
そう言ってブラックメシエはスピアーを構え直す。
「くそっ！」
バルジは今ある力全てを使って全速力で走っていく。
「小癪な…メシエ、やつを逃がしてはならん！！！」
ブラックのその言葉を聞いてメシエはバルジを追いかけて走る。
「やべぇ…このままじゃ…」
「静かにしていろ。」
「…！！」
バルジは何者かに抱きかかえられ、姿を消した。
「消エ…タ…？」