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スターサインプリキュア☆

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第14話「謎の少女、紗織との出会い!」



『Ladies and Gentlemen, we have arrived at Japan, Shooting Star Airport, where the local time is now ten minutes to noon.(ご搭乗のみなさま、ただいまこの飛行機は日本、流星空港に着陸いたしました。日本時間で午前11時50分でございます。)』
「…着いたのね…。」
紫色の長い髪の少女が飛行機の窓から外を見る。

昨日の事…ちょうど夕食時だった。
「今…何て言ったの!?日本!?」
彼女の母親が少し青ざめた表情で彼女に詰め寄る。
「どうして?沙織…理由を聞かせてちょうだい」
沙織と呼ばれた少女の母親は怒鳴り散らしたものの、ふぅっと息を吐いて落ち着こうとする。
「友達が…病気なの。」
「友達?日本で連絡を取ってる友達なんていなかったじゃない…。本当の理由を言いなさい。」
「決めつけないでよ!!」
「沙織…。」
そこに、紗織の父親が新聞を持って入って来る。
「あなた、紗織が日本へ…」
「ああ、少し聞いたよ。」
父親は興奮する母の肩をポンポンと優しく叩き、紗織を見る。
「沙織、その子のお見舞いが目的なのか?」
「ええ。」
「手紙や贈り物を送るだけではダメなのか?」
「ええ。」
「…お見舞いが終わったらちゃんと帰って来るんだな?」
「ええ。」
「沙織!もう少しちゃんと答えなさい!どうしてこんな…子に…。」
母親は潤んだ目でバンッとテーブルを叩く。
「他にどんな答えを求めているというの?あなた達の答えは大体分かってる。私は無駄な発言はしない。」
「沙織…!一体ママの何が不満なの?転校させた事をまだ不満に思っているの?それなら謝ったじゃない。理由だって言ったわ。あなたにも分かってもらえるように何度も!」
「…あなた達の仕事の話なんて私には何の関係もないもの。私からその件に関して追及した事あった?なかったでしょ。だから私が日本へ行く理由だってあなた達が知ったところで何の意味もないの。」
「沙織!!あなたって子は…」
「落ち着くんだ。」
父親は開いていた新聞を畳んで母親にここは私が…と視線を送る。
「あなた…。」
「分かったから、行ってきなさい。パスポートを持ってくるよ。」
「あなた…」
「ええ。荷造りをしてくるわ。」

私はそう言ってすぐに自分の部屋に戻って取り急ぎ支度をした。
その時の母の顔を見る事はなかったけど、私にはどんな顔でどんな気持ちで見ていたのか大体想像出来る。
でも私はこれでいいの。こっちの生活にもあまり馴染めなかった…。ううん、正確に言うとどこの国に行っても馴染めないでしょうね。私は1人でいるのが好き。他の人といるなんて、付き合いなんて面倒。
例えそれが家族という集団であってもね。
ただ、レオは別だった…。彼は彼自身も自分の好きな事をして過ごしていたからお互い過干渉する事もなく、私も彼と一緒にいて疲れる事なんてなかった。
けれどもう半年ほど一緒にいるのにお互いの事はあんまり知らない。でもそれがなんだか心地良くて…。
いつの間にか一緒にいる事が当たり前になっていた。
だから私は彼を助けてあげたい。私が唯一「友達」と呼べる彼の事を。

「どこに行ったって同じ…。でも…レオ、あなたを助けたらすぐ帰るわ。こっちには家もないし。
人と関わるのは好きではないけど、私を産んだ親を捨てるようなことはするつもりはないしね。」
私は窓を見てそう呟く。レオが入ったカバンをそっと撫でながら…。
こうして飛行機は無事に着陸し、私は機体から降りるべく座席を離れた。