うろこ雲
と君が指差すうろこ雲
僕は返事もせずに
君のまっすぐ伸びた指がさすものをみつめる。
白の隙間からもれる濃ゆい青が
僕の目に深く沈んでいく。
僕の目には重たく深くまで届いているその色に
手を伸ばしてみても、届くことはないんだね。
僕の瞳には深く深く届いているのに、
不思議だね。
それに比べて、
僕はなんて浅い色をしているんだろう。
君が僕に手を伸ばしたら
君は僕にふれることができるだろう。
この浅い色が君の目に
うつっているかもわからないのに。
不思議だね。
もし僕が君に手を伸ばしたら
僕はふれることができるのだろうか。