ポエム
誰かが言った言葉だ
この営業の仕事についてはや7年、
ハンドメイドな仕事しかできない自分と、
厳しい上司のはざまで、
ゆっくり成長していき時間が流れていった
純粋や理想にしがみついてもがいていた時期に比べて、
社会にもまれて少しは大人になったかもしれない
理屈をこねるより、よい行動をしろ
そう自分に言い聞かせてから数か月
どういう訳か俺は海外ともつながる本社に栄転した
契約を取る為上海に行き
そこでの契約も人柄がかかわってくる
大人の世界だからこそ敢えて本音が大事
そういう自分のスタイルを確立していった
悩んでいた頃のいろいろな自分があったが、
どの自分もすべては間違っていた訳ではなかったのかな
思えば自分は昔からそんな優秀な人間ではなかったと気づき、
やさしい自分を大きな自分にかえて
このステータスを勝ち取った
そして初めての海外での契約は見事に結ばれた
その晩、豫園で上海蟹にくらいつき、火鍋を食べながら
青島ビールを飲む
決して偉い人間ではないけれど
いろいろなものを捨てて勝ち取った勲章だ
上海について三日目は自由だったので
呼んできた妻と七宝の水路の側で
時間を気にせずジャスミンの花茶を飲む
俺らの仕事にだって確かに水は流れてる
―――俺はまだ始まったばかりだ―――