落し物に注意
空は青く澄み渡り
真夏の太陽がサンサンと私に降り注ぐ、そんなある日の出来事。
も~
いくら日焼け止めバッチリ、日傘装着でも…お肌が気になる!
それに~
暑い。
蝉の声が更に気温を上昇させてるんじゃないの?
なんて疑いたくもなる
今日の最高気温は確か…32℃だったかしら?
今はもっとありそうな気がするなぁ。
あ~も~やんなるなぁ
仕事が山積みで忙しのに、この暑い中お客の所に届け物頼まれるし
自分で行けての!
頼んだ上司を恨むヨ
まったくー
今日も残業確定だっ。
思わず歩きながら、ぶつぶつ呟いてしまった…
周りの人に、ヤバイ人だと思われたらどうしよう!
やだぁ~
照れ笑いしながら周りを見る。
あれ?誰も私の事、眼中になし?
それはそれで、なんか悲しいぞ。
ちぇ。
あ~あ~
こんなんじゃ彼氏もできないよ
あ、また…声に出してしまった。
それも、今度はかなり声大きかったかも
は~
……。
ため息も出るっちゅうの
『あの~
今…幸せ落としましたよ』
「はい?」
『いや…今のため息で、幸せ、あなたから落ちました』
な、何こいつ??
新手のナンパ?
こう言うのは、無視に限るわ
余計イライラするし!
不審者を残し、私は、ズンズン歩く歩く歩く!
不審者は、どんどん小さくなって…視界から消えた。
あ~びっくりした。
さっさと用事を済ませて会社にもどらなきゃだわ。
『あ~行ってしまった…本当に…幸せ落ちたのに…』
その足元には、見た事もないキラキラした素敵な…触るとなんだか幸せそうな物体が落ちていた。
みなさん。
ため息には、ご注意ください。
落としますよ、幸せ。