さんかくしかく
いつから、いつから私の血液は紫色だったのだろうか?
驚きと恐怖、混乱に慌てて手首を抑えて血を止めようと躍起になる。とくとくと流れるそれは元より深い傷ではないのだろう、暫くすると止まってしまった。それでも、また流れ出てはたまらないと、きゅうと抑えたまま眼を瞑った。躍動する脈に呼応するように流れ出た血が紫色をしていた事実をゆっくりと考えた。そろりと眼を開けても、抑えたままの手や傷口にこびりついた血はその色を赤には変えていなかった。
どうしよう、と口から溢れた言葉に涙が出てきた。そうするともう止められず、しくしくと泣きながら、これじゃあ自殺できない、と呟いた。